レインウェアは素材によってどんな違いがあるの?
どんなレインウェアを選べばいいのか迷っている人のための「賢いレインウェアの選び方」も第3回。今回はレインウェアの素材についてのお話です。
日常でのちょっとした外出からスポーツ・アウトドアなどのレジャーシーン、野外フェス、長時間にわたる現場作業など、雨を防ぎたいシーンは千差万別。当然そこで求められる性能や機能もさまざまであることから、レインウェアにはそのシーンや目的に適した多様な素材が使用されています。
今回はそれらの素材の基本的な特徴や、どんな目的に適しているのかを知ることで、より賢く自分にピッタリのレインウェアを選んでいきましょう。

アメトハレのレインウェアに使用されている生地・素材の一般的な特徴
PVCラミネート
PVCラミネートとは、ポリエステルやナイロンなどの表生地の裏にPVC(ポリ塩化ビニール)をラミネートした素材で、低価格のレインウエアに最もよく使われている素材です。経年劣化が少なく丈夫で摩擦に強いメリットを持ち、こすれても安心。海水などにも強く丈夫です。
欠点は重いことと、劣化するとラミネートがボロボロに剥離してしまい、早ければ数年で使えなくなってしまうということです。また透湿性はありませんので蒸れやすいという弱点もあります。消耗の激しい現場作業などの作業者におすすめです。
PVCラミネート採用「3340 ハイポンチョ」
3340 ハイポンチョ
すっぽり濡れずに全身カバー。どんな雨にも負けないレインポンチョ
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PU(ポリウレタン)コーティング
生地の裏面にポリウレタン樹脂をコーティングした防水素材です。PVCラミネートに比べて軽くてしなやか、比較的価格も高くないため、機動性と快適性を重視した手頃な価格のレインウェアに多く使用されています。
現在、PUコーティングされた生地には透湿性が「無いもの」と「あるもの」の2種類あります。その昔は無透湿のみでしたが、近年では技術の進歩によりコーティングに無数の微細な穴を開け、透湿性を確保したタイプが登場してきています(※後半の「高機能な防水透湿素材」を参照)。また劣化しやすくデリケートな樹脂のため、保管方法によってはすぐに使い物にならなくなってしまうこともありますので注意しましょう。
主な用途としては日常使いや通勤、レジャーが適しており、軽作業にもおすすめです。
PUコーティング採用「7250 エントラント(R) レインスーツ2」
7250 エントラント(R) レインスーツ2
撥水・防水・透湿のそろった高機能レインスーツ
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PUコーティング採用「7740 ブリザテック レインスーツ」
7740 ブリザテック レインスーツ
日本品質の防水透湿 × 軽量 × 快適レインスーツ
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TPUラミネート
TPU(熱可塑性ポリウレタン)はスマートフォンの保護ケースなどにも利用される応用分野の広い樹脂素材です。高い防水性だけでなく、加水分解等の劣化が従来のポリウレタン樹脂よりも起きにくいため、軽量ながらも長持ちする防水素材です。さらに加工方法によって透湿性やストレッチ機能を付け加えることができ、「ストレッチ・透湿・防水・軽量素材」という高機能防水透湿素材を実現することも可能です。
TPUラミネート採用:「7440 サイクルモード レインコート」
7440 サイクルモード レインコート
【新色登場/単体レインコート 売上No.1】グッドデザイン賞2021受賞!雨の日の自転車や普段着に、スタイリッシュで快適に着こなせるレインコート
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TPUラミネート採用:「7441 サイクルモード ハイポンチョ」
7441 サイクルモード ハイポンチョ
【単体レインポンチョ 売上No.1】自転車通勤から街歩きまで大活躍。普段遣いレインポンチョの新しいスタンダード
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素材別の特徴比較表 ※当社比
| |
PVC |
EVA |
PVC
ラミネート |
PU
コーティング |
TPU
ラミネート |
高機能
防水透湿
素材 |
| 防水性 |
◯ |
◯ |
◯ |
◯ |
◯ |
◎ |
| 撥水性 |
× |
× |
◯ |
◯ |
◯ |
◎ |
| 透湿性 |
× |
× |
× |
×~◯ |
△~◯ |
◎ |
| 耐久性 |
◯ |
|
◯ |
|
◯ |
◯ |
| ストレッチ性 |
× |
× |
× |
× |
一部の製品で◯ |
一部の製品で◯ |
| 重量 |
重 |
軽 |
重 |
軽 |
軽 |
軽 |
| 価格帯 |
低 |
低 |
低~中 |
低~中 |
中 |
中~高 |
| 主な用途 |
低価格・コンパクトで非常用やレジャーに |
低価格・コンパクトで非常用やレジャーに |
通勤通学など日常生活のあらゆる用途やワークシーンに |
日常からレジャー、ウォーキング、ゴルフ、軽作業など |
日常からスポーツ、アウトドア、現場作業など |
アウトドアや過酷な環境での仕事といった激しいアクティビティに |
高機能な防水・透湿素材から選ぶ
近年では、上記のようなベーシックな防水透湿素材だけでなく、以下に挙げるような素材メーカーが開発した最先端の高機能防水透湿素材が生まれています。これらはモデルによっては非常に高価な反面、日常だけでなく、より過酷な環境で激しいアクティビティを行う場合にも適しています。
エントラント(PU系)

東レの優れた技術から生まれた機能性とファッション性が調和した防水・撥水・透湿性の高機能なポリウレタン(PU)コーティングの防水透湿素材です。ハニカムミクロポーラス構造(無数の小さな穴構造)により、雨粒よりも小さな穴が外側からの雨粒を通さず、衣服内の水蒸気(雨粒よりも非常に細かい)となった汗は通すという性質を備え、これが防水性と透湿性をバランス良く両立させています。
スキー、スノーボード、アスレチック、レインウェアなど様々なスポーツ、気象条件に対応できる高機能素材です。さらに、生地の表面には撥水コーティングが施されており、水をかけても生地の上を滑るように水滴を弾きます。
エントラント採用「7260 エントラント(R) レインコート」
7250 エントラント(R) レインコート
当店で一番丈の長いレインコート(123cm/男女兼用 Lサイズ)。ビジネスから日常使いまで、撥水・防水・透湿の揃った高機能レインコート
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エントラント採用「7250 エントラント(R) レインスーツ2」
7250 エントラント(R) レインスーツ2
撥水・防水・透湿のそろった高機能レインスーツ
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ブリザテック(PU系)

透湿防水素材「ブリザテック」は、生地表面からは内部まで水を浸透させず、同時に衣服の内側に溜まった湿気を外に放散する透湿性を兼ね備えた高機能防水透湿素材です。また生地表面に撥水加工を施すことによって表面に落ちた水をはじきます。
特殊な技術によって中層に形成された特殊なポリウレタン膜により、水圧がかかっても内部まで水がしみこみません。そのため水系の汚れはすぐにふき取ることによって、つき難くなっています。さらに内部に溜まる湿気は外に放出する性能をもっているので長時間座っても蒸れることなく、不快感を解消します。
ブリザテック採用「7740 ブリザテック レインスーツ」
7740 ブリザテック レインスーツ
日本品質の防水透湿 × 軽量 × 快適レインスーツ
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ブリザテック採用「7710 KJレインパーカー」
7710 KJレインパーカー
外側からの雨を防ぎ、内側からのムレを逃す快適レインジャケット
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まとめ
以上、カジメイクで取り扱っているモデルで使用している物を中心に、レインウェアの素材についてご紹介しました。でも上記で取り上げた防水透湿素材は、現在さまざまなモデルで使われている数多くの種類のうち、ほんの少しでしかありません。これからもし新しい素材に出会ったら、それぞれどんな機能が優れていて、どんな特徴をもっているのか、そんなことに気をつけながら自分に合ったレインウェアを見つけてみるとよいでしょう。
